植物には土壌のpHによって育ちやすかったり育ちにくかったりして、植えつけるときには注意が必要です。日本では酸性土壌が多く、野菜を育てる場合は特にpHの調整を苦土石灰などで行うことがよくされています。
今月号のガーデナーズワールド誌では、キャロル・クレインさんが酸性土についての解説と、彼女のお気に入りの酸性土壌を好む植物の紹介が掲載されています。
土壌のpHは試薬を使って計測する方法や器械を使った方法がありますが、キャロルは酸性土壌とアルカリ土壌とを簡単に見分ける方法としてアジサイの花の色を紹介しています。もしアジサイの花が青かったら酸性、ピンクだったらアルカリと考えてよいとのこと。さらに、ツツジやマグノリア(モクレン)が元気に育っているなら酸性土壌ということも。
お庭の土が酸性土壌であれば、世界中のたくさんの酸性土壌を好む植物を育てることができるのです。マグノリアやコーヌス(ヤマボウシなど)は酸性土が大好きです。ヘーゼルやスキミア、ドウダンツツジもそうです。酸性土壌を好む植物は細い繊維状の根を浅く張る性質をもっていることが多く、植え付けるときには根鉢の大きさより広く穴をほりますが、あまり深く掘る必要はありません。たくさん有機質をすきこんで植えますが、石灰質を多く含むものは入れないようにします。
赤橙色のアザレアとキャロル |
キャロルのお気に入りの酸性土壌を好む植物が写真入りで紹介されています。
①サンギナリア
ポピーと同じケシ科の植物で4月から5月に純白の八重の花をつける
草丈20センチ
②セイヨウハナズオウ
ユダの木として知られ、春に葉が出るまえに紫色のマメ科の花が咲かせる
樹高8~12メートル
③カウチンプリムラ
一般的にプリムラは酸性土壌を好み、ベルベットのような花びらのこの品種は特にかわいい
草丈15センチ
④トリリウム・クロロペタルム
トリリウムは中性から酸性を好み、爬虫類の紋様のような葉と濃い色の三枚の花弁の花のこの品種がとくにお気に入りです
草丈50センチ
⑤ヤマボウシ
強い酸性土壌を好み、春の終わりに白い花をつけ、秋は紅葉します
樹高4~8メートル
⑥ヒメコウジ(チェッカーベリー)
樹高の低い低木で常緑、冬には葉が色づき、赤い実をつける
樹高50センチ
⑦イロハモミジ「大盃」
ほとんどのモミジの仲間は酸性土壌で育ちますが、強い日差しや風から守ってやる必要があり、成長が遅いので狭い庭に向いています
樹高2.5~4メートル
⑧オオヤマレンゲ
比較的低い樹木で赤い雄しべをもつ白い花が枝垂れて咲き、香りがあります
樹高4~8メートル
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