コッツウォルズの亜麻畑

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2022年11月9日水曜日

ガーデナーズワールド司会のアダム・フロスト氏の紹介

 

ガーデナーズワールド誌の10月号にアダム・フロスト氏の紹介記事が載っています。

彼はBBCの園芸番組ガーデナーズワールドに以前からプレゼンターの一人として出演していましたが、最近では総合司会のモンティー・ドン氏が不在の時に、彼に代わって総合司会をよくするようになっています。彼は 'How I Garden' (私のガーデニングの仕方)という本を最近出版しており、その本の内容をここで紹介しています。




『私は、ガーデナーやデザイナー、ましてやテレビの司会者になろうとしたわけではありません。しかし、今になって、私に影響を与え、物事に取り組む方法を教えてくれた重要な人々や指導者がいることに気づきました。 16歳で仕事を始めて以来、私は懸命に働き、危険を冒し、そして幸運にも恵まれてきたと思います。 』

『私がガーデニングに興味を持ったのは子供の頃です。「さえないおばあちゃん」、「さえてるおばあちゃん」と呼んでいた2人の祖母は、私に大きな影響を与えました。 「さえてるおばあちゃん」はソーシャルハウジングに住んでいて、祖母と祖父は貸し農園を持っていました。 私はその一部を使わせてもらい、「アダム」と書かれたスレート片を持っていました。 庭は70年代の典型的な郊外の雰囲気で、芝生にきれいなストライプが入り、たくさんのバラや観葉植物が植えられていました。「さえてるおばあちゃん」は少し支配的で、裏門の外にある茂みを縛ってしまうこともありました。

そして、もう一人の「さえないおばあちゃん」です。彼女と祖父の庭は、それほど大きくはありませんでしたが、発見される前のヘリガン(第一次大戦後に放置され、1990年代に復元されたイギリスでも有名な庭園)のようなものでした。生い茂っていて、ちょっと手に負えないし、おばあちゃんは何も捨てようとしないのです。 

私は15歳になるまでエセックス州で育ち、その後、家族でデヴォン州に引っ越しました。私は学校のシステムになじめなかったのですが、それは私が失読症であるためかもしれないと、今になって思います。 16歳のときに家を出て、下宿して仕事を探しました。料理が好きで、軍隊でシェフになろうと思っていたのですが、園芸にも興味がありました。 幸運にも、私はノース・デヴォン公園局で昔ながらの有給見習いとして、ヴィクトリア朝の公園でのガーデニングやスポーツピッチの整備をすることになりました。 そこで4年ほど働いた後、ロンドンに戻り、メンテナンスと造園の仕事に就きましたが、ここでも実地訓練を受けました。』


現在のアダムと3歳の頃の水やりをしているアダムの写真


『そして21歳のとき、幸運にも、偉大な園芸家でありテレビ司会者でもある故ジェフ・ハミルトン氏のもとで、庭の造成、維持、植栽の仕事をすることになったのです。彼は植物に詳しく、野菜作りにも熱心で、私は彼と彼の息子であるニックから多くのことを学びました。 彼は、オーガニック・ガーデニングという点では同業者の先をいっており、私にとっても環境への配慮という点では非常に重要な存在でした。 

ある日、私はGeoffに、庭の設計をやってみないかと言った。 そして、デザイナーであり造園家でもあるデビッド・スティーブンスに連絡を取ってみたらどうかと提案され、デビッドが私に教え、私の素晴らしい仲間になったのです。 Geoffが心臓発作で急死した後、Davidは、私がBarnsdaleのGeoffの庭を去るとき、設計と建設の会社を設立することを提案しました。

彼に感謝することはたくさんあります。それ以来、私はランドスケープデザイナーとして成長する旅に出ていますが、RHSチェルシーフラワーショーのショーガーデンを手がけることは、このプロセスの重要な一部になっています。

私は幼い頃から物を作ったり、工作したりするのが好きで、プロポーションや色、素材など、自分が好きなものを生来的に理解していました。ディスレクシア(読み書き障害)であることも関係しているのかもしれませんが、私には他の人にはない、立体的なものの見方があるように感じています。しかし、年齢を重ねるにつれて、自分の能力に自信を持てるようになりました。』


20代のはじめに指導をうけた故ジェフ・ハミルトン氏(上)
その後、自立して造園を始めたころのアダム(下)


『今はそれなりの広さの庭を持っていますが、昔はそうではありませんでした。下宿に住んでいたときは、ベッドの端に観葉植物を置いていました。その後、バルコニー付きのスペースに住み、数年後には小さな庭付きのアパートに住みました。

どんな広さのスペースでも、それを最大限に活用する方法を見つけることが重要なのです。窓辺に植物を集めたり、キッチンテーブルの上で多肉植物をトレイに載せて育てたり、そんなことからたくさんの楽しみを得ることができます。ガーデニングのやり方は、土地の広さではなく、考え方次第だと思います。屋外で楽しむだけでなく、家に持ち込んで家族の食事を作るための果物や野菜、家の中を飾る花やシードヘッドなど、さまざまなものがあるのです。

実りある庭とは、人生のシンプルな喜びを味わい、素敵な思い出を作るためのものです。 私の場合、庭の手入れをすることで、楽しみが生まれるのを待つのではなく、楽しみのきっかけをつくることが大切だと考えています。 また、家の外と内をつなぐことで、自然界をより身近に感じることができ、それが精神的な健康や幸福にプラスに働くと信じています。』



2016年からガーデナーズワールドの番組スタッフの一員となり活躍している

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ガーデナーズワールドの名プレゼンターだった故ジェフ・ハミルトン氏との出会いが、ついには自分もまたプレゼンターとなるという縁に、彼もまた感慨深いものがあるのだろうと思います。

今年彼が王立園芸協会から出版した下記の本を買って読んでみました。庭のさまざまな物を手作りする方法を丁寧に解説した、DIY派にはとても役に立つ本だと思います。

同じく今年出版されたアダムの書籍




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