コッツウォルズの亜麻畑

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2018年9月30日日曜日

ヴィーガンのガーデニングは一時の流行か、未来か?

毎月あるテーマで二人の専門家が意見を戦わせる、雑誌ガーデナーズワールドの連載記事'Over the fence'(垣根越し)ですが、10月号のテーマが表題です。「イギリスで盛んになってきたヴィーガニズム(絶対菜食主義)で動物の副産物に未だに頼っているガーデニングはどう代わるか?」という副題がついています。

ヴィーガンは絶対菜食主義の人のことで、食事として動物製品(肉や牛乳などの酪農製品や魚介類など)を摂取しません。そしてその生活様式をヴィーガニズムと呼んでいます。ヴィーガン (vegan) という言葉は1944年にイギリスで作られたそうで、以前からあったベジタリアンよりは新しい言葉です。

ガーデナーズワールド誌は園芸雑誌なのでヴィーガンといってもそのためのガーデニングがテーマです。



「スーパーオーガニックガーデナー:ヴィーガンガーデンのすべて」という本の著者であるマシュー・アップルバイさんは『どうしても絶対菜食主義的に育てるべき3つの理由がある』と言い、次のように述べています・・

「3つの理由とは、酪農は地球にとって良くないこと、動物たち自身にとっても良くないこと、そして動物を食べることやその副産物が我々の健康に良くない可能性があること、の3つです。
 ガーデナーはヴィーガンの食事を支えるために食物を育てることができますし、動物に害を及ぼさずに育てることができます。野生動物や昆虫に優しくないのに多くの人々は自分は優しいと思い込んだりしています。庭のたとえばナメクジなどの動物を殺したくないと思う人は実際のところごく少数です。多くのガーデナーは動物の肥やし(糞)は健康的であると考えていますが、ヒトに有害ないろんな微生物を含んでいることが知られています。
 イギリスには今や60万人のヴィーガンがいて、これは10年前の4倍です。数え切れないほどのヴィーガンのための料理本が出てきていますが、ヴィーガンのためのガーデニングについての本はほとんどありません。
 (途中略)
 あなたが自分が食べるものに気を使うなら、自分が食べる食物がどんなふうに育てられるのかにも感心を持つ必要があります。」


一方、30年以上も有機栽培や不耕起栽培を行っている先駆者でガーデニングの作家でありブロードキャスターでもあるチャールズ・ドウディング氏は、『レッテルや分類はあまり重要ではなく、その内容や文脈を見て役に立つ議論をしよう』と言い、次のように述べています。

「私はヴィーガンではありませんが、食べるもののほとんどは野菜か植物性の食物です。100%のヴィーガンでないのは、たまには健康的に育てられた動物から作られたものも食べてみたいからです。
 私たちが従うべきはその理由や文脈であって、一般化したレッテルではないのです。私はヴィーガニックガーデニング(動物から作られたものを除外することが当然になる)という用語を最近まで聞きいたことがありませんでした。そしてそれはコンポスト(堆肥または培養土の意)と関係があったのです。15年間私は同じ業者のオーガニックの鉢用のコンポストを使ってきましたが、いつもよい結果が得られていました。今年の春、去年の残りの堆肥で育ったものと比較して成長が悪く苗が小さかったので業者に問い合わせたところ、今年は動物のものでなくヴィーガニックなものを試しているとのことでした。十分な栄養分が含まれているのかどうかを明らかにするためにはもっと試験が必要でしょう。
 この話は、以前に話題になったピートを使わないコンポスト運動と似ていると私は思います。きちんとした品質を確認できぬまま市場に出すのを急ぎすぎたのです。
 ヴィーガンがヴィーガニックガーデニングを実践したいと望むのであれば、彼らがうまくやれることを祈りますし、ケージ式養鶏場の鶏糞を使わないことに賛成です。しかし私は近傍の馬の厩舎や牛の放牧場、自家用の鶏舎などからの肥やしは喜んで使います。
 レッテルや分類ではなく、その内容や文脈を見て役に立つ議論をしましょう。」


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 ヴィーガンが増加すれば、彼らの食べるものもその信念に沿って育てられることが求められて、ヴィーガニックな栽培が増えていくのかもしれませんね。ちょうど健康志向などでオーガニックに栽培された食べ物にとても人気がでたように。