イギリスでは生態系に配慮した庭づくりの話題がよくテレビや雑誌に登場します。化学肥料を使用せず、有機物のリサイクルにより行い、庭に多様性を持たせて、病害虫の発生を最小限にすることで農薬を使用しない、いわゆるオーガニック・ガーデニングは日本でもたくさんのガーデナーが実践しています。さらに、野生生物が来やすく、棲みやすくすることに重点を置いた庭づくりへの取り組みも始まっています。
Gardeners’ Worldの9月号にもIt’s time to make changes (今こそ変える時)という記事が載っています。Chris Packhamが野生生物を助ける方法、そのためにすぐに止めたい悪い習慣について書いています。彼は 自然主義者で、自然写真家、テレビの司会者、そして作家として活躍、80年代にはこどものための自然番組 The Really Wild Showで有名になり、2009年からはBBC放送の自然シリーズSpringwatchのプレゼンターをしています。
<野生生物を助ける5つの方法>
①池をつくる: これをつくるだけで庭にくる生物の種類が大幅に増えます
②芝生の一部を伸び放題にする: マルハナバチが安心して巣をつくる場所になります
③ツタを育てる: ツタは秋の花の蜜が冬越しする昆虫の大切な食料になり、果実は鳥のえさになりますし、鳥やコウモリの棲みかににもなります
④蜜が多い花を育てる: 庭に花が咲く時期をできるだけ長くして昆虫たちのえさにします。八重咲きの交配品種の花は蜜を吸いにくかったり蜜ができなかったりしますから、一重の花がよいようです
⑤鳥の棲家を増やす: 鳥の巣箱は多すぎることはないので、たくさん庭につくりましょう。鳥の種類に応じた巣箱を用意しましょう
<すぐに止めたい5つの悪い習慣>
①燃やしてはいけない: 庭で切った植物は燃やさないようにして、二酸化炭素を出さないようにしましょう。積み上げる場所を探して、できるだけ堆肥にして利用しましょう
②きちんとし過ぎない: 庭をきれいに整えすぎないようにしましょう
③池を綺麗にし過ぎない: 池の中身を全部処分すると、野生生物が皆んな滅びてしまいます。定期的に半分ずつ掃除するようにしましょう
④チェーンソーは使わない: これを使い始めると止められなくなって、切る必要のない枝や木を切り倒したりしがちです
⑤鳥のえさ台は綺麗に: 鳥たちに病気が広がらないようにえさ台や水場はいつもきれいに保ちましょう
|
ハリネズミは木の枝や葉っぱの下に巣を作ります |
別の記事には野生生物たちのための集合住宅づくりも紹介されています。これは楽しそうで私もちょっと作ってみたくなります。