Gardeners’ World誌の連載コーナー、Over the fence(垣根越し)、ある設問に対して異なる立場の2人が意見を述べるのですが、それぞれの意見に、もっともだ、とか、それは違うんじゃないか、とか結構面白い記事です。
10月号では「忙しいガーデナーには人工芝は恩恵か?」がテーマです。
ちゃんとした庭に人工芝が許されるかどうか、です。
肯定派のLee Connellyさん(写真左)は、家族でガーデニングを楽しむイベントを兄弟二人でイギリス各地で開催しています。2015年にはハウステンボスのガーデニングショーにもファミリーガーデンを出展していました。
彼は、「時は金なり(Time is a currency)、1時間で芝刈りをするより、1時間家族と庭で楽しく過ごすのがいいに決まっている。」といいます。
「芝をきれいに保つのは大変ですが人工芝に変えてしまえば、雑草は生えないし、天気が続いても水やりは不要だし、裏のドアを開ければ何時でもきれいな芝生があります。
おばあちゃんはいつも僕に庭で犬を走り回らないようにはどうしたらよいかと聞きます。芝に黄色いシミがついて、お隣さんがお茶を飲みにきた時にみっともないのです。でも人工芝ならこんな心配は皆無。
人工芝は広さによって結構高価にもなりますが、安物だとかえって困ったことになったりします。お金はかかるけどその分とても役立つので、有意義な投資です。」
最後に、「野生の生き物のための植物を育て、本物の植物ともかかわりあっている限り、人工芝もまた未来のひとつの形で、受け入れても良いでしょう」、と締めくくっています。
一方、人工芝に否定的なMat Biggsさんは、プロのガーデナーで、BBC4チャンネルの番組「ガーデナーの質問時間」の司会者でもあります。
彼は、「ガーデニングは植物を育てることであって、芝も含まれます。」と書き始めます。
「本物の芝は目にやさしく、酸素を発生して二酸化炭素を吸収し、大雨でも一気に雨水が流れでないようにして洪水を防いでくれます。見方をかえればいいのです、すなわち雑草も野の花と考え、デイジーやクローバーなどもきれいな柄のカーペットだと思うのです。野の花は昆虫たちに蜜を与え、昆虫を食べに鳥たちもやってきます。」
「芝刈り機を押して回るといい運動になってジムに行く必要はありません。刈った芝は堆肥の発酵を促進してくれまる。人工芝は環境には何も役立ってくれず、あるのは便利さだけです。芝刈りも週に2回ぐらいやると、簡単に済んで大変ではないんです。犬のおしっこのシミも、おしっこしたところに水をかけてやれば防げます。どこか1か所でするように躾けることもできます。」
「人工芝はやはり本物には見えません。表面は完全に平坦だし、自分の楽園のど真ん中に生命のない緑の場所があることになります。次は人工樹木を植えるのですか??」、と締めくくっています。
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以前に
人工芝に関する記事を紹介したことがありますが、それぞれに一理あると思います。
実は私の庭にも一部人工芝にしたところがあります。メンテフリーで掃除も楽、ポットをしばらく置いておいても枯れないなど、大変便利です。庭を訪れる人たちも気が付かないことが多いのですが、最近の人工芝は結構リアルな色につくられているためでしょうね。