8月号では、「イギリスの庭が世界で最高か?」という設問で、今回意見を述べるのは、ケント州にあるシシングハースト・カースルの庭のヘッド・ガーデナーのトロイ・スコット・スミス氏と、イギリスに留学して園芸を学び、花咲園芸総研の代表として活躍している舘林 正也氏。
スミス氏は、「どこに言っても、イギリスの庭や庭師は世界で最も素晴らしいとみなされている」といって始め、「18世紀に風景式庭園という新しいスタイルの庭園がイギリスで始まって以来、ずっともっとも偉大な輸出品となっている」と続け、自分が今働いているシシングハーストを例に「フォーマル(整形式)ガーデンの枠組みの中に、インフォーマルな植栽を行うロマンティックなイングリッシュガーデンが生まれて、世界中に広がっている」と言い、
「歴史を通じて、世界はイギリスの庭園にあこがれてきた」とまで言ってのけます。
一方、舘林氏は、日本には2000種類もの野生の植物があるが、イギリスは数百種類と少ないことをまず指摘しますが、「イギリスのボーダーガーデンは日本庭園よりはるかに豊富な色がみられる」ことは認めます。そして、日本では小さな家と狭い庭という制限からスペースを最大限に有効利用する必要があるとし、イギリスの庭に劣るという人もいるかもしれないが、日本ではその制限からはるかに深い思考や高い技法が用いられていると続けます。そして「もちろん、多くの日本の人々がイングリッシュガーデンを賞賛し、狭い庭に応用できるたくさんの素晴らしいアイデアを’借用’していることも認めざるを得ない、そのアイデアとは、色の使い方、フォーカルポイント、魅力的な植栽などである」ともいいます。そして、両国の気候の違いに触れ、イギリスでは夏は過ごしやすく、庭を楽しめるのに対して、日本の夏は暑くて蚊が多く、とても楽しむどころではないと続きます。
そして最後に、実は日本庭園もイギリスでとても人気があり、日本庭園の様式をたくさんの人々が取り入れようとしていることを指摘し、「隣の芝生は青く見える」ものだと結びます(笑)。
私もイギリスの庭園をみてその美しさに感銘し、イギリス庭園風の庭造りをしていますが、とても面白いコラムで今回も楽しめました。
さて、皆さんはどう思われますか?