コッツウォルズの亜麻畑

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2016年10月16日日曜日

庭の落ち葉はどうすべきか?



落ち葉の季節になりました.  我が家の庭でもヤマザクラの葉がたくさん落ちてくるので、集めてコンポストビンに入れています. Gardeners’ World誌の今月号は、庭の落ち葉について異なる意見をもつ2人が、それぞれ意見を書いています.



まず最初のPippa Greenwoodさんはガーデナーズワールド誌に寄稿している病害虫の専門家です. 彼女は「落ち葉はナメクジやカタツムリなどの害虫の棲家になる」との見出しで、次のように述べています.

「私はもともとだらしない性格で、家も仕事場も車も散らかっています. でも、庭では直線をきらっているのですが、庭が散らかっているのは大嫌いで、落ち葉は最たるものです. 花壇の落ち葉を掃除するとすっきりしますし、掃除するのは意味があるんです. それは、ナメクジやカタツムリが気持ちよくその中で過ごしているからです.  そして黒星病などの病原菌も冬越ししてしまいます. 宿根草などの花壇では落ち葉は好ましくないところによく溜まってしまいがちで、放っておいてもうまくはいきません. ですから、手袋をはめて箒で掃除したほうが良いのです. そうすれば集めた落ち葉で腐葉土もつくれますし、病原菌が死滅すれば庭のどこにでもマルチングに使えて、実に完璧です!」

これに対して、Ken Thompsonさんは「落ち葉をそのままにしておけばあらゆる種類の野生生物たちの利益になる」、と題して次のように述べています。彼は園芸研究者で園芸ライターです。

「まず最初に明確にしておきたいのは、多くの研究で庭の土壌は栄養素に富むが有機質が乏しいとされていることです. そして木の葉は有機質の重要な供給源ですから、リサイクルされるべきです. 燃やしたり捨てたりするにはあまりにも貴重です. そして唯一の問題は、それを集めて堆肥や腐葉土にするか、あるいはそのままその場所においておくか、なのです. そして、それは落ち葉がどこにあるかによって答えも異なるでしょう. 園路やパティオ、芝生などでは掃除をしたくなるでしょうが、花壇では秋の落ち葉はそのままで良いと思うのです. わざわざ集めて堆肥などにしたあとに、また花壇に戻すのは時間の無駄です. 通常の堆肥の温度では病原菌は死滅しません. もし落ち葉をそのままにおいておくと、あらゆる種類のワイルドライフの利益になります. ハリネズミは落ち葉の中で冬ごもりできますし、ミミズのえさになりますから落ち葉がなければ虫も生きられません. 落ち葉の中にはいろんな虫たちが棲み、それらはカエルやトカゲ、鳥などのえさになるのです. ナメクジはどうなるの?というあなたの悲鳴も聞こえますが、ナメクジもワイルドライフでより大きな動物のえさになります. ワイルドライフを好きなものと嫌いなものに分けてもあまり役に立ちません. ナメクジのえさや棲家をなくせば、他の野生生物のえさや棲家もなくなるのです. それを受け入れられないと思うなら、あなたはワイルドライフを大切にするガーデナーをやめることは決してないでしょう. 」


なかなか、簡単に決着する問題ではなさそうです. 確かに場所によると思いますね. フォーマルガーデンではやはり落ち葉は綺麗に掃除したくなるでしょうし、コピスガーデンではむしろ落ち葉はそのままがいいでしょう. 花壇は・・・難しいですね.