庭をいつも美しく保つのはけっこう大変ですね。あまり手間がかけられずに荒れ放題になってしまうこともあります。そんな時、もっと楽にそしていつもそれなりに綺麗な庭が維持できればとは誰しも思うことだと思います。
Garden Illustrated誌の11月号に、その秘訣を紹介する記事が載っています。
バラの会社をやっていたJohn Schoolmeesters夫妻に2001年にオランダのGeldropにあるレンガ塀に囲まれ、かつて市民農園として使われていた4千㎡の庭を花の庭に作り変えるように依頼がありました。
ただ、ほとんど予算がないということで、種から植物を育て始め、しだいに周辺住民も植物を持ち寄るようになり、さらに近くの園芸会社の閉鎖のときには在庫をもらいうけるなどして、15年をかけて市民の憩いの場になっているそうです。
現在、夫妻のほかは12名のボランティアで手入れされています。
花壇を手間をかけずに維持する5つの秘訣を彼は紹介しています。
①庭に降る雨だけで生き延びる植物を選ぶ・・・水やりや支柱立てが必要だったり、病気にかかりやすい植物は避ける。
②植物は色で選ばず、形で選ぶ・・・花穂が高く伸びるもの、星形のもの、球形のものなどのバリエーションが豊かだと、どういう風にうえても見栄えがする。
③冬に見栄えのする植物を選ぶ・・・経験的に形のバリエーションが効いてくる。
④何らかの理由でうまく育たない場合も心配無用・・・掘り上げて別の植物と取り替える。そうやって庭は発展する。
⑤狭い庭の場合は・・・この方法は使えるが、小さな植物、例えばセスレリア属(イネ科のグラス類)、コメススキ属(これもイネ科)、それに小さめのサルビアやアネモネなどを選ぶ。
下の写真は秋の様子です。夏の季節はバラがさいている花壇も、秋にはグラス類やいろんな多年草が主役になっています。
そして、秋の植物のお気に入りを9種類紹介しています。
①Eupatorium maculatum ‘Purple Bush’ ・・・一年中見た目がよい形をしている
②Pennisetum alopecuroides ‘Hameln’ ・・・日本の野草(チカラシバ)の園芸種で、太いブラシのような形の花をつける
③Tricyrtis formosana ・・・日本の野草(ホトトギス)の近縁種(タイワンホトトギス)で、夏の終わりに逆光で美しい。良く育って病気知らず
④Persicaria amplexicaulis Taurus ・・・広い面をおおって美しく、また他の植物の背景としても美しい
⑤Sedum ‘Herbstfreude’ ・・・花は桃赤色で、冬には茶色の円盤状になる
⑥Agastache ‘Blue Fortune’ ・・・花茎は色あせて冬のあいだじゅうもつ
⑦Rudbeckia fulgida var. sullivantii ‘Goldsturm’ ・・・九月に黄色い花が輝き、そのあと小さな丸い種をつける
⑧Monarda and Rudbeckia seedheads ・・・この多年草の両方とも黒くて球形の種の集まりを冬に残す
⑨Astilbe chinensis var. taquetii ‘Superba’ ・・・とても美しくて長持ちする変わった模様を花壇に出現させる(草丈1.2m)
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ほとんどほったらかしで、冬まで見栄えのする丈夫な植物を、色でなく形で選べ、とは発想の転換だと思いました。
②のチカラシバは田舎道の道端にもときどき自生している一種の雑草で、その園芸種をうちの庭にも植えていますし、③のホトトギスに至っては庭ではびこり過ぎていつも抜いている状況です。確かに丈夫で、花はきれいですね。
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